
ブラジル仏教連合会(梶原洋文マリオ会長)とリベルダーデ文化福祉協会(ACAL、藤田ヨシアキ・ダニロ会長)が主催する「第59回花祭り」開会式が、7日午前10時から聖市リベルダーデ区の日本庭園で行われた。通りがかりのブラジル人観光客らも次々に甘茶かけに参加していた。
花祭りはお釈迦様の誕生を祝う行事。釈尊讃仰会の山本逸雄会長は開会の言葉で「私たちがこのように幸せな人生を歩ませて頂けることは、お釈迦様がこの世にお出ましくださいまして、真実に目覚め、仏教をお開き下さったから」と釈迦生誕を祝った。
梶原会長が代表してお釈迦様の子供像に甘茶をかけて読経した。そして開会の挨拶の中で、お釈迦様が紀元前5世紀頃、現在のネパール・ルンビニの花園で4月8日に誕生したことを振りかえった。その際に飲むと不老不死になるという伝説の飲み物「甘露」が空から降ったとの逸話から、この甘茶かけが始まったという由来を説明した。それを祝ってたくさんの花を用いた「花御堂」を作ってお釈迦様の誕生を祝う花祭りとなった。
読経が響く中、仏連の僧侶に続いてACAL役員、一般参拝客らが次々に甘茶かけをして手を合わせた。閉会の言葉はブラジル仏教婦人会連盟の中野明美会長が、「12日(土)10時からリベルダーデ広場で花祭り法要が行われます。一人でも多くのご参加を。ますます仏教がブラジルの大地に力強く根付いてくれることを念じております」と述べた。

藤田ACAL会長は「開かれた日本文化イベントとしてACALは共催しています。今我々は困難な時代に生きています。仏教哲学は生老病死など普遍的なことから始まっており、困難を超越するという今の時代に必要なことが含まれています。今週は甘茶かけに参加し、一緒に変革の時を迎えましょう」と宗教に関わらず、より広い一般人の参加を呼びかけた。
7日に始まった花祭りは12日まで毎日、東洋庭園(R. Galvão Bueno, 72 )奥に特設された花御堂で10時から16時まで行われている。参加無料。参拝者は杓子でお釈迦様の像に甘茶をかけてお参りすることができ、最後に本場京都から持ってきた、砂糖が入っていないのに甘みを感じる甘茶を飲むことができる。
最終日12日10時からはリベルダーデ広場で盛大な花祭り法要が行われ、11時からは白象に釈迦牟尼像を載せて、お稚児さんと一緒に行進する「お練り行列」が行われる予定。この行事は子どもの健やかな成長や家内安全を祈願するものとしても知られている。
