ソフトドリンク1缶に砂糖8杯!=知らずに口にする健康リスク

ピンク色の「ガラナ・ジェズース」(via Wikimedia Commons)
ピンク色の「ガラナ・ジェズース」(via Wikimedia Commons)

 ブラジルでは食事の時にソフトドリンクを飲む文化が根付いており、世界でも最も多く消費する国の一つだ。だが、350mlの缶に含まれる砂糖の量は小さじ8杯分にも達することがあり、健康への影響は決して軽視できないと7日付UOL(1)が報じた。
 ソフトドリンクは食事のお供として人気があり、国民生活に欠かせない。だが砂糖の過剰摂取は歯の健康に悪影響を与え、虫歯やエナメル質の損傷を引き起こすほか、肥満や2型糖尿病、心血管疾患、がんなどのリスクを高めることが知られている。
 栄養士による調査報告書によると、350mlの缶に含まれる砂糖の量は、マラニョン州のご当地飲料「ガラナ・ジェズース」が42gと最も多く、「コカ・コーラ」や「ファンタ(マラクジャ味)」が37g、「スプライト」と「ファンタ(ガラナ味)」が36gと続いた。これら人気飲料が含む35〜40gの砂糖の量は小さじで7〜8杯分に相当し、世界保健機関(WHO)が推奨する成人1日当たりの砂糖摂取量(25g)を大きく超えている。この過剰な砂糖摂取は、成人だけでなく子どもにも重大な健康リスクをもたらす。
 製品に記載された栄養成分表や原材料名を確認することが推奨されており、砂糖の量だけでなく、炭水化物や、甘さを強化するために使われるブドウ糖や果糖などのシロップの添加にも注意が必要だ。砂糖が多く含まれるソフトドリンクほどカロリーも高くなるが、それだけではない。過剰摂取すると、カルシウムの吸収に悪影響を及ぼす可能性がある酸化剤(リン酸等)や、アレルギー反応を引き起こす可能性のある人工着色料(黄色4号、黄色5号等)にも警戒すべきだ。
 専門家らは人工着色されたものほど、体にとって有益でない添加物が含まれており、頻繁に摂取すると健康にリスクをもたらす可能性があると指摘。ベンゾ酸ナトリウムなどの防腐剤は飲料の賞味期限を延ばすのに役立つが、長期的には胃腸の不快感や細胞損傷のリスクを高める可能性がある。
 カロリーも砂糖も含まない「ゼロ(またはダイエット)」を謳うソフトドリンクについては、砂糖の代わりに人工甘味料(アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムKなど)や天然甘味料(ステビアなど)が使用されている。栄養士のアリネ・サンタナ氏は「WHOによると、これらの甘味料は体重管理や糖尿病、心血管疾患などの予防のために砂糖の代替として使用すべきではない」と説明。
 これらの甘味料は消費が認められているが複数の研究では、代謝、腸内フローラ、味覚の認識に影響を及ぼす可能性があり、過剰摂取すると、より甘いものへの欲求が高まることがあるという。このためゼロタイプも消費が推奨されていない。
 ソフトドリンクの摂取を減らすためには小さめの缶を選び、濃縮度の高いシロップを含むものを避けることが有効だ。ゼロタイプの摂取は限られた頻度で行うべきだという。
 栄養士レチシア・レンジ氏は「近年、ブラジル市場には人工添加物の少ないソフトドリンクが登場している。これらの製品では、着色料や保存料が天然由来であるため健康に対する有害な影響が少ない」と説明。だが、これらの製品が必ずしも砂糖が少ないわけではないため、食事制限がある人は栄養士に相談することが勧められる。
 その他、砂糖不使用のアイスティーなど有効な選択肢となり得るが、甘さが少ないため徐々に移行することが推奨される。急激な変化は拒否反応を引き起こし、甘い飲料の過剰摂取に戻るリスクを高める可能性がある。

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