オンライン国債投資が大注目=1年で10万レを得る方法とは

「テゾウロ・ジレット」の公式ロゴ(Foto: Divulgação/Tesouro Direto)
「テゾウロ・ジレット」の公式ロゴ(Foto: Divulgação/Tesouro Direto)

 近年、安定した投資先として注目されるオンライン国債販売プラットフォーム「テゾウロ・ジレット(Tesouro Direto)」は、連邦政府が発行する国債を、個人がインターネットを通じて簡単に購入できる仕組みだ。14日付インフォマネー(1)はテゾウロ・ジレットを活用し、1年という短期間で10万レアル(約243万円)以上の利益を得る方法をシミュレーションによって解説した。
 これは、国がサンパウロ証券市場(B3)と提携して開発した国家財務プログラムで、一般国民に対する連邦公債の販売を100%オンラインで行うもの。国債へのアクセスを民主化することを目的として2002年に開始され、当初30レアルからの投資が可能だった。24年11月からこの最低額もなくなり、さらに低額でも投資できる。
 国が発行して保障する国債だけに、ブラジルでは最も安全な投資手段の一つと見なされている。その安全性は、過去に国内債務に対してデフォルト(債務不履行)を起こしたことがなく、政府が債権者への支払いを常に守ってきた実績に基づいている。
 とはいえ国内政治・経済問題、インフレなどが投資リスクを高める可能性はある。それらのリスクにも関わらず、専門家の間でテゾウロ・ジレットは依然として信頼性の高い、低リスクの資産運用手段として高く評価されている。
 実際にテゾウロ・ジレットを利用し、1年という短いスパンで10万レを超える利益を得るための具体的な手法を解説する。2025年4月14日に投資を行い、26年4月14日に償還するという前提に基づいてこのシミュレーションは実施されている。
 まず、28年満期のテゾウロ・セリック(経済基本金利連動型国債)の場合、現在の経済基本金利(Selic)の14・25%に加えて0・0612%の利率が上乗せされている。この投資で1年間に10万レ以上の利益を得るには、101万レ(約2458万円)を投資する必要がある。ここから所得税(IR)の2万358・11レとB3の手数料の2173・62レが差し引かれるため、最終利益は10万3726・49レとなる。
 テゾウロ・ジレットにかかるIRは保有期間に応じて税率が下がる仕組みとなっており、具体的には180日以内の運用益に対しては22・5%、181日から360日までは20%、361日から720日までは17・5%、また、2年を超える期間に対しては15%の税率が適用される。
 次に、2029年満期のテゾウロIPCA+(インフレ連動型国債)は、インフレ指標の一つである広範囲消費者物価指数(IPCA)に連動した利回りに加え、年率7・73%の固定金利が上乗せされている。100万レを投資して1年後に償還した場合、税引前の利益は12万4951・97レとなる。IRの2万1866・59レとB3手数料の2137・49レを差し引くと、最終的な利益は10万869・16レになる。このタイプの国債は、インフレ上昇のリスク回避ができる資産運用という意味で、極めて有効な選択肢とされている。
 最後にテゾウロ・プレフィクサード(固定金利型国債)は固定金利で、最も少額の投資で目標の利益を得ることができる。99万レを投資すれば、税引前で1年間13万294・30レの利益が得られる。IRの2万4511・50レとB3手数料の2132・14レを差し引いた後、最終的な利益は10万3522・31レとなる。ただし専門家は、テゾウロ・プレフィクサードは経済の不安定な時期にはリスクが伴うと警告する。というのも、その金利はSelicやIPCAのような変動指標によって調整されないため、市場変動にさらされやすくなるからだ。
 これらのシミュレーションは、いずれも1年という期間での償還を前提としている。つまり、投資家は早期に国債を売却することになるが、その際には市場の状況によって価格が変動する可能性がある。国債を満期前に売却すると価格が下落している場合、最終的なリターンに悪影響を及ぼすことがある。そのため、投資家は投資期間中の市場動向を注視し、リスクをしっかりと管理することが求められる。

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