
ブラジル本門佛立宗中央寺院日教寺(コレイア教伯ブラジル教区長)は一昨年来、サンパウロ市イピランガ区への移転を進めており、5月25日10時から新本堂開堂式を行うことになった。
これに合わせて京都の本山からは、日伯外交関係樹立130周年記念も兼ねて、特別に教団トップの木村日覚(にちがく)上人第27世講有を始め、岡居日実弘通局長、西村清良国際部長以下68人の慶祝団が5月15日に来伯、最終日25日に開堂式に参列した後に帰国する予定。一行は伯国全州に散らばる信徒約1万人と会うために、12カ所ある寺の幾つか訪ねて回るという。
教伯教区長は「笠戸丸でやってきたブラジル仏教の祖、茨木日水上人の夢である『全伯に弘める』を私達が叶えさせていただく」と述べた。約5千平米の土地に8千平米の建築面積の3階建ての新本堂と、6階建て講堂が建てられている。植松セルジオ教団理事長は「もう91%完成している」と説明した。
この新本堂は若い世代のために建設され、この式典をもって次世代に引き渡されることを象徴させるために、当日は式典の最後に全伯から集まった青年会や子供会の代表が、仏前で茨木日水上人の奉賛歌をポルトガル語で唱和する。加えてその2カ月後の7月には、青年会50周年式典が新本堂で盛大に祝われる予定。教伯教区長は「将来を見据えた式典にしたい」と意気込む。

同教団ではこの60年間の間に、24人の僧侶を日本に派遣して研修させている。教伯教区長もその一人で、1967年にサンパウロ州で生まれ、クリチーバで育った非日系人として1983年に15歳で訪日し、以後10年間学びを深め、仏教大学文学部を卒業して帰国した。今回来伯する木村日覚第27世講有は、日本では外国人も含めて多くの僧侶の先生だったという。
式典当日は招待客のみだが、前日の5月24日は特別に、誰でも新本堂の見学ができるように解放する。予約の必要もないという。