現在日系三十二家族が住むエフィジェニオ・デ・サーレス移住地は、百八十万都市マナウスが消費する鶏卵の約七割を供給する〃卵の里〃だ。アマゾナス州政府と契約を結んだ日本政府は、一九五八年十一月に第一陣十七家族、六一年までに五十四家族を送り込んだ。マナウスの北四十キロに位置し、現在では「コロニア・ジャポネーザ」行きのバスも運行するが、悪路とマラリアが移民らを苦しめ、急勾配で強酸性の土地は農業に不適格な土地だった。昨年十一月に入植から半世紀を迎えた同地を訪ねた。