日本移民とのつながりが深い島――土砂崩れ災害から2週間後の現場に降りたって、まずそう感じた。リオ州イーリャ・グランデのバナナウ海岸の船着き場には鳥居が建ち、日系のポウザーダが6軒も集中しており、現在最も多く日系人が住んでいる場所だ。かつて海から離れた植民地に住む日本移民が常食していた鰯(いわし)の缶詰の大半は、この島の工場で生産されていた。弊紙の前身の一つ、パウリスタ新聞の蛭田徳弥社長(故人)も工場を所有していたことは有名だ。元旦未明の土砂崩れ事故を契機に、改めて日系人の関わりを調べてみた。(長村裕佳子記者)