「誰かの責任を問いたいわけではない。ただ手遅れの状態まで放っておかれたのが悔しい」―。そう無念そうに語るのは、徳永典子さん(62、福岡)=サンベルナルド・ド・カンポ在住=。サンパウロ日伯援護協会が経営するスザノ・イペランジャホーム(岩原勝一経営委員長、根塚弘ホーム長)に入居していた母、丸山ナツさん(享年87)が2月3日早朝、血栓症による虚血を原因とする「壊疽」(体組織の腐敗に特徴付けられる壊死の合併症)で亡くなった。真っ黒になった右足は、亡くなる直前に切断。左足は黄疸ができた状態だった。入居したのは2010年末。「定期的に医師が診察するにも関わらず、どうしてこんなになるまで放っておいたのか」と憤る。根塚ホーム長、医師、看護婦にぶつけると、両側の発言は食い違う。果たして真相はどこにあるのか――。(田中詩穂記者)