2008年のリーマンショックから4年以上が過ぎた。「派遣切り」などで多くのデカセギが職を失い、約12万人が日本をあとにしたとはいえ、今も19万人余が暮らす。彼らはなぜ日本に残ったのか、日本での未来にどんな展望を持っているのか。来伯する在日伯人コミュニティ研究者や関係者は「定住化傾向」と一様に語るが、どんな心理作用が働いているのか――。経済不況、大地震に伴う津波や原発事故などの苦難に相次いで見舞われた日本に、なぜ残ることを決めたのか。年初に1カ月間帰国した折に、3県(三重、岐阜、愛知)の集住地を訪ね、実際に話を聞いてみた。(全9回、田中詩穂記者)
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