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連載小説=自分史「たんぽぽ」=黒木 慧=第59話

14/10/2022

 その後、山岡宗喜さんと丸子さんにフェリー乗り場に案内され、私達二人と母さんの三人での十四時間の船旅が始まった。波静かな瀬戸内海から紀伊水道を抜け、四国の沖を日向へと向かう。薄明かりの右げんに足摺岬を眺め、フェリーは進む。日向着は午前十一時四十五分とか。午前一〇時前から日向の山並みが遠望できるようになると急に懐かしさがこみ上げてきた。乙島・門川の港・竹島・余島、懐かしさに船を右に行ったり左に行ったり。感激に涙が次から次へと湧いてきて、それを抑えるのに苦労した。二十五年以上の昔、この港造成にオンボロ船に石や砂を積んで動き回ったあの頃が思い出された。
 予定通り十一時...

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