小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=85
隆夫の手紙
律子君へ
また永いことご無沙汰してしまったが、元気かね。以前君から貰った手紙は、俺のお守りとして肌身離さず持ち歩いている。君は神経の行き届いたすばらしい女性だ。君が側にいてくれたら、俺はこんな境遇に落ちていなかっただろう。君に敬遠された反動で、こんなことになってしまった……
と言うのは今俺は、君の知っている山路達夫と臣道連盟に加盟し、一人の敗戦論者を襲った咎で警官に捕まった。そこからサンパウロの留置所に送られた。何日か後に他の二〇数名の戦勝組と一緒にアングラ・ドス・レイス市に連行され、さらに二、三日後、その町の港から小型ボートで、このア...
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