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小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=41

19/09/2024

有川が冗談とも本気ともつかぬ苦情を言った。
「ホッホッホッ」
周平は指についていたノリを丹念になめながら、
「腹が減ると、なんでも旨いでなあ」
と答えた。
「お前は舌切雀だ」
と井上はまぜ返しながら、自分も食べた。
運平はそっと立ち上りながら、香山に目配せした。
水を飲むふりをして台所へ行った。ガランとして、食べられそうなものもなかった。湿地帯に建つ家の、すえた臭いだけがよどんでいた。
どこか遠くを聖歌隊が通っていた。今夜はクリスマス・イヴだった。
「これで何か買ってくれ」
かなりの札を運平は無雑作に渡した。
「ワッ!」
香...

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