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小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=60

16/10/2024

 運平の号令で一列の縦隊は昨日のように進みはじめた移しい霧が頭上から降ってくる。そよとも動かないのに葉の一つ一つからポタポタと水滴がしたたるのだった。
 濡れたズボンやシャツが体にはりついて体温を奪った。
行けども行けども霧は晴れなかった。冬の朝は風が吹かないからだった。
 しかし、かなり太陽が昇ったらしく、少しずつ温かくなってくる。
 下り坂になって暫くすると、薄れかけた霧の中に朽ちかけた小屋が浮かび上っていた。
 「ホウ……!」
 嘆声が隊員の中から洩れた。
 こんな処に住もうと試みた人間がいたのだ。小屋の囲りはかなりの面積の木が伐られていた。切り...

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