連載小説=自分史「たんぽぽ」=黒木 慧=第1話
第一章 祖国・青春期 出生と幼児期
一九三四年(昭和九年)十月二十九日、私はこの世に生を受けた。父、黒木弥吉、母、ぬいの八人の子供の五番目、次男である。所は九州のほぼ中央の東の端、宮崎県北部の海沿いの村落。今の日向市大字日知屋畑浦の五七七七番地である。当時は富島町大字日知屋畑浦と言っていた。畑浦も前畑浦とうしろ畑浦とあって、前畑浦は細島の港に面してもっと開けていたが、うしろ畑浦は牧山の北側にあって、大きな湾に囲まれてはいたけれど、湾口はまだ、当時は広くて、湾内にも波のうねりが打ち寄せていた。
私の生まれた家の近くは当時、すでに干拓事業が施されていて、私の家...
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