小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=46
「浜野がギターで、ボクが歌って見せるからな」
以前、浜野と同じ耕地で一緒に芝居をやり、猩々役で人気を博したため、ショウジョウサンとも呼ばれている野沢祥三が名乗りでた。彼は少しどもる癖があったが、歌はどもらずうまかった。
二人の名コンビで、流行歌を次々と歌い、居合わせた娘たちもつい釣りこまれて、野外での一大合唱となった。流行歌が尽きると勇ましい軍歌になった。
すっかり歌い飽きた和美は、
「静かなところへ行きましょう」
と、律子の手を引いた。少し行くと大木の先に枝がはね上がっていた。
「律子さん、座ってごらん。枝が揺れてブランコに乗ってるみたいよ」
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