小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=59
浩二は小首をかしげて姉から離れた。半ズボンの少年が、ここ二、三年の間に姉と対等に話せるようになった。浩二にとっては一つの進歩だと考えていたが、姉から見れば、急に小生意気になった弟は、煙たい存在でもあったのだ。
律子は、騒ぐ胸を抑えるようにして、封を切った。
すっかり御無沙汰している。この手紙はだいぶん前に書いたものだが出しそびれていた。しかし、これを今話しておかないと俺の立場は誤解されたままと思われるので、改めて投函しておく。あの日、俺への同情からだったかも知れぬが、君は強く抱きついてくれた。それまでも好意を寄せてくれたから、あの時、すべてを許されたものと...
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