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小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=66

18/10/2023

 昨年、山を焼いた後の湿地には焦げ死んだ鰐が見つかった。中央部の水溜りには生き残った何匹もの子鰐が水を濁してもがいているのを見かけたものだが、今では棉作地と化し、収穫のはじまった畑は、恰も真っ白な雪景色を呈していた。入植者は棉摘みに精を出し、売り値も良かったので農民の表情は明るかった。
 そうしたある日、それはドイツ軍が連合国側に降伏したと聞かされた翌日だった。数名の兵士を乗せた軍用トラックと、もう一台の自動車がやってきて田倉家の前にとまった。車を降りた大男は、手にした書類を田倉に突きつけて、
「この土地は君たちのものではない。隣接地のジャカレー耕地の一部であっ...

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