小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=67
「反抗すると撃つぞ」
別の兵が銃をかまえた。律子たちはなすすべを知らず、おどおどと震えている。黙って腕を組んでいた田倉は、やにわに部屋へかけこんだ。隠してあったピストルを握り弾丸を填めた。(十何年、血の汗を流してやっと購入した土地をおめおめと、こんな奴らに横取りされてたまるものか。自分が犠牲になっても家族の土地は守ってみせる。この六発の弾が今日の勝負だ)
田倉は、必死の覚悟をすると、戸外を窺った。律子が田倉にしがみついた。
「お父ちゃん駄目、駄目よっ。計画的にやってきた男たちに手向かっても勝ち目はないわ。ピストルを使うのはやめて」
「サインをすれば、...
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