小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=71
有村は警察署長と顔なじみなので、事が拗れぬように交渉してみると日本語で話す。戦時下で日本語使用は禁止されていたが、どうしても日本語になってしまう。
町の警察署に連行された十八名の青年たちは、警官から所持品を検べられた。銃器を持っているわけでもないが、ナイフ、バンド、靴、マッチ、煙草といった些細なものを取りあげられた(一部の者は煙草を隠し持っていた)。検査のすんだ者から順に留置場へ誘導された。全員を収容し終えると、看守は鉄の重い扉を横に押し、眼の前で大きな錠をかけた。
留置所は三メートル四方くらいの部屋で、大勢の青年たちを収容するには充分とは言えない。マッチ...
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