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小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=78

04/01/2024

 田倉は晩酌をちびちびやりながら愚痴めいたことを言った。飲みすぎると家族に悪態をついたりもするが、適度の酒は彼の頭の回転を良くした。
「もう二、三年頑張って戦争が終ったら日本へ帰るつもりやったけど、この調子じゃあかん。ブラジルに住み着くんだったら、もっとこの社会に溶け込めるよう努めるべきだった。俺の考え方はあまり利口でなかったようだ。以前、或る機関からの奨励による《育英制度》があって、息子の奨学を勧められもした。しかし、俺は百姓に徹するため、それを断った。今考えるに、お前たちの教育もおろそかにしてしまったようだ」
「戦争が巻き起こした悲劇でしょう。お父さんの責任...

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