小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=144
おどけて、田守は訊いた。
「酒宴の墟だ。隠れ場所にはもってこいだ」
「そうか、そこで休暇をとることにするか」
(九)
山小屋はまだあった。が、何年も放置されているので周囲は雑草に覆われ、辛うじて屋根だけが見えていた。車は山小屋まで近づけない。二人の者が棒切れで草をなぎ、それを踏みつけて古い道の跡を探した。どうにか道らしい目印をつけて車を乗り着けた。屋内は黴の匂いがし、土間の所々に雨漏りの穴があいていた。
「修理せにゃならんが、新しく建てるより手間が省けるかな」
半分朽ちた山小屋でも建っていたこ...
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