小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=156
思いなしか、良子は少し衰弱しているようにも見えた。夜気のせいかもしれない。
(二)
その夜、信二は床に入っても容易に寝付かれなかった。炎天下で激しい労働を続けると、過労で眠れないことがある。今日の除草はそれほど疲れたとも思えなかったが、身体が熱っぽく眼が冴えた。柱時計が二時を打ち、三時を打っても眠れない。日本から持ってきたあの時計だけは嫌に正確だな。他の物事は何も彼も狂ってやがる。コーヒーは蒔き付けて四年目なのに、未だ結実しなかった。間作の稲は出穂の時期に降雨が足りず、白穂になってし...
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