site.title

小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=38

12/09/2024

「どうする。待つか?」
 ベンソンの前で御者は訊ねた。
「そうだな。ちょっと待ってくれ」
運平は降りて中で聞くと、やはり上塚周平も引き払っていた。
「ここにいた日本人ならシルヴァ・テレス街二十八番へ移った」
 帳場の男は親切に教えてくれた。
「どの辺だろう?」
「ブラス駅の近くだ」
 移民収容所のそばだった。通訳組が一カ月半ほど住んでいた付近らしい。あの辺なら地理も解るから馬車代の十分の一ですむ市内電車で行ってもいいのだが、あたりには黄昏が迫っていた。
 運平は再び馬車に乗った。
 繁華街を抜けると、馬車はトコトコ長い坂を降る。ブラス駅の近くは町...

Conteúdo exclusivo

Conteúdo exclusivo para assinantes

O restante deste artigo é exclusivo para assinantes. É necessário obter permissão para visualizá-lo.

認証情報を確認中...

Sobre acesso a artigos premium:
Assinantes PDF podem ler 1 artigo por mês, e assinantes WEB/PDF podem acessar todos os artigos premium.

PDF会員の方へ:
すでにログインしている場合は、「今すぐ記事を読む」ボタンをクリックすると記事を閲覧できます。サーバー側で認証状態を確認できない場合でも、このボタンから直接アクセスできます。

Loading...