ブラジル日系社会=『百年の水流』(再改定版)=外山脩=(12)
アンデスの山越えは、眼下に数千メートルの谷底を見ながら、細い道を辿るという難所も多く、ら馬も怯えるほどで、心身ともに凍えさせた。水野の回顧談には「しまった、取返しのつかぬことをしてしまった!と、悔いと恐怖に襲われ続けた」とある。南樹も同じであったろう。
やっと最後の難所を越えた後、小さなホテルで二人は四、五日動けなくなってしまった。腰を抜かしたのだ。
水野の性格上の欠点が引き起こした失敗だった。
二人がアルゼンチンを経て、大西洋を船で北上、リオの港に着いたのは一九〇六年三月の末であった。
上陸後、二人はペトロポリスの日本公使館を訪ね、杉村公使に会っ...
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