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小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=40

18/09/2024

 井上新平は自哲の、いかにもインテリらしい感じのする青年だった。
 周平は床に散乱した紙切れやブリキ片をどけると、二人の間にどっかと坐って袋を逆さにした。三十センチほどに切った竹がカラカラと転がり出た。
「一体何を始めたんですか?」
 運平は呆気にとられ訊ねた。
「玩具を作ってます」
 周平が答えた。
「会社が潰れて給料が来なくなった。食えないので、こうやって玩具を作って売ろうという魂胆だ」
「売れるんですか?」
「まだ分らんが、松永が売り歩いている。なにしろ無資本だから……ほらこれが紙風船、ブリキの兵隊さん、この竹は竹トンボ。どれも材料はタダだ」
...

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