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小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=57

11/10/2024

第五章

 平野運平と二十名の開拓先発隊がグァタパラ耕地を出発したのは大正四年一九一五)八月一日だった。
 汽車はコーヒー園の中をひたすら走った。申し込みを合計して、一千六百二十アルケールの土地を買った。コーヒーの実の採集が終れば一農年の義務は果たす。十月頃から移住するとしてとりあえず径を作ったり、仮小屋くらいは用意しなければならない。腕っぷしの強そうな青年を選んで先発隊を組織したのだった。
 ノロエステ線との中継駅バウルーで一泊した。ここで必要な品々も整えた。
 翌日早朝、ノロエステ鉄道線に乗った。朝出て翌日戻ってくる隔日運転の汽車だった。砂利が敷いてないか...

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