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小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=79

13/11/2024

 酷暑の二月になると野火が猛るようにマラリヤは激しくなった。マラリヤ蚊は雨期と乾期の境い目に最も跳梁する。あまり水量が多いとボーフラが流されてしまうし乾期で水たまりが絶無でも育たない。雨期の名残りの水たまりがあちこちにある今こそ、マラリヤの病原虫を体中に持ったアノフエレス蚊が繁殖し跳梁する最盛期だった。濁り水にも産卵する普通の蚊とちがい、アノフエレスは澄んだ溜り水に産卵する。濁ることを知らない原始林の沼や水溜りは、だからアノフエレスにとって楽園なのだ。
 キニーネさえあれば、と思ったが、燃え上った火の手にバケツで水をかけるように、キニーネの効果はマラリヤの矯激をく...

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