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小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=112

18/01/2025

六月二十五日。酷く寒い朝だった。しかし、一人一人の名が記された土地登記証を持った運平は心も身も軽く汽車に乗った。皆の喜ぶ顔を早く見たかった。
正午にペンナ駅に着いた。
「酷い霜だった。今朝は二十年振りだという。コーヒーは全滅だろうな。あんたの処はもうコーヒーを植えたのかね」
馬をあずけてある駅前の家の主人がそう言った。
「今年初めて植えた」
「それは……」
主人は肩をすくめた。
運平は店先でピンガを一息に呷ると馬に飛び乗ってその尻を叩いた。
「急げ!急ぐんだ!」
そう馬に叫んだ。
霜がとけてぬかるみの山道を馬は泥を運平の背中...

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