ブラジル マンダカルー物語=黒木千阿子=(13)
アントーニオ家族のいる母屋と離れの回りには防犯用の鉄条網が張ってあって、いつもは開いている入口がその日に限って鍵がしてあるではありませんか。様子がただごとではない、そんな予感がして、母屋に声をかけると、中ではマリーの夫をなじるような喚き声。
いつもの夫婦喧嘩ではなさそうです。
やがて、そこにアントーニオが現れました。
ところが、彼はその時に限って、あのトレードマークのヘラヘラ笑いを見せず、いかにも真面目な顔で突っ立っているのです。
「どうして鍵なんかかけたの?」
「セニョーラが入って来ないようにするためです」
私は、耳を疑って訊き返しました。
「どういうこと?」
...
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