ブラジル日系社会＝『百年の水流』（再改定版）＝外山脩＝(239)

また州警察は、これも前章で既述の様に、四月一日事件での千名を超す検挙の後も、戦勝派の狩り込みを続けた。検挙総数は数千名に及んだ。その多くは短期で釈放したが、残る約四百数十名の拘留は二、三年に及んだ。その大半が臣連の連盟員であった。

州警察は（これも検察を通じて）起訴しようとしたが、一九五二年、やはり不起訴となっている。

また、前章で記したことであるが、一九四六年の八月、右の拘留者の内、アンシエッタ送りになっていた八十名に国外追放令が、大統領令によって下され、司法大臣から発表されている。八十名中約六十名が連盟員であった。

が、追放は実行されなかった。

しかも追放令は...