ぶらじる俳壇=161=伊那宏撰
セザリオ・ランジェ 井上一栄
たっぷりときな粉をつけて蓬餅
〔早春、土手の草々に先んじて芽吹いてくる蓬を摘んで蓬餅を作り、それに砂糖と少々の塩を利かした黄な粉を振りかけて食べた幼年期の記憶が、ふっと甦った。父と母がいて、姉や弟たちもいて、皆で囲んで食べた春浅き頃の記憶。ブラジルの山野には蓬草はないと決めていたので、幼き頃の記憶は我が脳裏に封印されたままになっていた。ふとしたきっかけが記憶をよみがえらせてくれる。この〈たっぷりと〉というふくよかな響きの言葉に出会わなかったら、私の蓬餅の記憶は勇躍と甦ってくることはなかったであろう。生きた言葉との出会い。それは感動を生み出...
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