Romances em Série
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=33
監督は、男たちに合図した。彼らは手際よく家財道具をトラックに積み込んだ。移民の所帯道具はそれほど多く...25/07/2023
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=32
本耕地の支配人をはじめ、岡野と田倉の説得によって日本移民はもとより、抗議を続けていたブラジル人たちも...22/07/2023
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=31
「傷を負わせた以上、彼も何とか言ってくるでしょう。物事は荒立ててはいけません。今日はこのままにして相...19/07/2023
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=30
律子は溜息をついた。こういう時、要領のいい農夫は仮病を使うのだそうだ。新来の移民はそうも行かない。再...18/07/2023
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=29
雨は大降りとなり、なかなか止みそうにない。その時、皆の頭上で何か引き裂かれるような轟音が発し、大きな...15/07/2023
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=28
売店の壁は板張りで、二五米もあろうか。入口が四個所ついている。五区画ある分耕地から買出しにくる人びと...14/07/2023
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=27
─―よくもこんなに伸びたものだ。この種はまた雨とともに芽吹くのだろう。そして次の種をもつ。切っても削...12/07/2023
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=26
ジョン・デ・バーロ(アカカマド鳥)が鳴いていた。見上げると庭先の木にパン焼き窯を小さくした形の巣があ...08/07/2023