連載小説=自分史「たんぽぽ」=黒木 慧=第54話
始めての「ふるさと訪問」(慧四十五才・美佐子四十一才)
私が二十五年ぶり、美佐子が二十一年ぶりの訪日であり、ふるさとを出る時「五年か十年で帰って来るよ」と言って、皆と別れて来たけれど、ブラジルの現実の厳しさに、この日までとうと実現出来なかった。私はどうであれ、愛妻、美佐子だけでも、より早い時期にふるさとの親兄弟姉妹に会いに帰させたい。そんな気持ちがずっと私の胸の中にあった。幸いこの度は二人一緒のふるさとへの旅が実現できる。言葉に表せない喜びが胸を突き上げる。日本へも手紙を出した。初めての飛行機での長旅とあって、その準備にも万全を期した。
新しい旅券を作るのに...
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