小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=61
切り出した灌木に曲がったものがあると、それを火にあぶって矯正したり、鉋で適当な太さに削ったりする。鍬の柄は、草の根を浮かせやすくするために、ある勾配をつけてすげる必要がある。工夫を凝らした鍬や斧は仕事の能率を上げる。凝り性の浩二が仕上げた農具は使いやすいと家族のものから喜ばれた。
山伐りには屈強で熟練した三人の人夫を雇った。最初はフォイセで覆いかぶさった蔓や灌木を薙ぎ払う。山の中はむし暑い。薮蚊やぶよ、山だになどにまとわりつかれながらの開墾作業は容易でない。全身から汗が流れ、シャツは、雨に打たれたかのようにずぶ濡れになってしまう。彼らはシャツを脱ぎ、半ズボン一...
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