site.title

小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=14

31/07/2024

 星明りの下に、黒々と蛇腹のようにうねって、長屋が幾つも並んでいた。近付けば近付くほど、それが粗末は小屋だということが分った。大急ぎで割り当てられ家に、人々はローソクを手にかかげて入って行った。家、とは言えないかもしれない。屋根の下の土間を土壁が二つに仕切っているだけのものだった。上を仰ぐとすすけた赤瓦がローソクの光にユラユラ揺れていた。土壁には先住者のヤモリがピッタリとはりついていた。
 それぞれの長屋のむきだしの屋根の下で、それぞれの夫婦が呆然とした暗い顔を見合わせていた。外国生活といえばいつも洋服をキチンと着て白壁のシャレた家に住むものだ、と教えられてきた。...

Conteúdo exclusivo

Conteúdo exclusivo para assinantes

O restante deste artigo é exclusivo para assinantes. É necessário obter permissão para visualizá-lo.

認証情報を確認中...

Sobre acesso a artigos premium:
Assinantes PDF podem ler 1 artigo por mês, e assinantes WEB/PDF podem acessar todos os artigos premium.

PDF会員の方へ:
すでにログインしている場合は、「今すぐ記事を読む」ボタンをクリックすると記事を閲覧できます。サーバー側で認証状態を確認できない場合でも、このボタンから直接アクセスできます。

Loading...