ブラジル マンダカルー物語=黒木千阿子=(14)
一度こじれた話はなかなか修復が難しいもので、とりあえず犬の坊やを返してもらうことで話を打ち切り仮住まいに戻りました。
地の果てジェキエーと人々が呼ぶバイア州のこんな小さな町でジャポネーザに残されたものは、猫のトントンちゃんと犬の坊やだけ。
今までの苦労はいったい何だったのか。
私の気分は、まるで底なしの沼に落ち込んでいくようでした。
その夜のこと。
静寂が当たりを包んで、頭が冴えてきますと、さすがに腹の虫がおさまらず、アントーニオをやっつける何か良い手だてがないものかと思案に思案・・・・。
さて翌日には、ジャポネーザが裏切られたぞ、という話がアッと言う間にマンダカ...
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