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ブラジル日系社会=『百年の水流』(再改定版)=外山脩=(300)

04/12/2025


宇垣の吉岡に対する同趣旨の手紙は二度、三度と続いた。一九四八、九年のことである。吉岡の脳裏に、永田鉄山の「橋頭堡を築け」という言葉が蘇った。

しかし吉岡は、移民の呼寄せといった類いのことには、門外漢であった。ためにある人物を訪ねた。長谷川武である。

戦時中、海興を追われた長谷川は、この頃、個人事務所を開いて、近親呼寄せ手続きの代行をしていた。

吉岡から宇垣の手紙を見せられ、こう快諾した。

「これは非常に困難な仕事ですが、祖国に対する最後のご奉公として、やりましょう」

その長谷川が思いついたのは「ブラジルは今、農業技術者が不足しているので、日本から招く」という名目で...

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