Romances em Série
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=21
「お父ちゃんの四十二歳の厄払いやから、白ご飯にしたんやって」 横から浩二が言った。 「そうか、あいつ...29/06/2023
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=20
九時には朝食を告げるラッパが鳴る。若者たちはこの九時を待ちきれずにラッパの真似をして、朝食を促す。時...28/06/2023
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=19
これは移住して初めて知ったことで、移民を奨励した海外協会の宣伝文句にはない。日本移民は、 過密人口の...27/06/2023
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=18
コーヒー採集用のラステーロ(地面に落ちたコーヒーの実を掻き集める熊手)の柄に水樽の把っ手を通して背負...24/06/2023
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=15
「偉そうなこと抜かすな。兄貴は親の財産を守ってりゃいい顔やが、俺はお前からもらった猫の額ほどの土地を...20/06/2023
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=14
「しっかり作らないと駄目ですよ、お父ちゃん。どうして夜ギイギイと寝床を鳴らすんだろう、と子供たちに言...17/06/2023
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=13
会話がちぐはぐであるが、ユーモラスだ。永い旅の緊張から解放された田倉親子は、ほっとした心の緩みから急...16/06/2023
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=12
やがて、一軒の灯火もない家の前に馬車は停まった。田倉の家族は馬車から降りたものの、さて、これからどう...15/06/2023