Romances em Série
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=27
─―よくもこんなに伸びたものだ。この種はまた雨とともに芽吹くのだろう。そして次の種をもつ。切っても削...12/07/2023
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小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=26
ジョン・デ・バーロ(アカカマド鳥)が鳴いていた。見上げると庭先の木にパン焼き窯を小さくした形の巣があ...08/07/2023
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小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=25
縄煙草をくゆらせながら八代は言った。 「海興会社の宣伝文句みたいですな。が、わしにはお先真っ暗ですわ...07/07/2023
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小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=24
「今頃、何をしてたんだ」 出会いざま田倉は大声を出した。見つけたことを内心喜びながらも、渋面を見せる...05/07/2023
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小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=23
「おかあちゃん」 家に駆け込んだが返事がない。部屋に母はいなかった。カンテラの灯りが、ぼうっと周辺を...04/07/2023
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小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=22
「らしいな。モジアナ地方からきた男の話では、町の出口に塹壕など掘ったが、政府軍の飛行機に襲われ、耕地...01/07/2023
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小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=21
「お父ちゃんの四十二歳の厄払いやから、白ご飯にしたんやって」 横から浩二が言った。 「そうか、あいつ...29/06/2023
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小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=20
九時には朝食を告げるラッパが鳴る。若者たちはこの九時を待ちきれずにラッパの真似をして、朝食を促す。時...28/06/2023
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