国際協力機構横浜センター(JICA横浜)は4月26日、同施設内にある海外移住資料館をリニューアルオープンした。今回の改装によって、施設のバリアフリー化が行われ、あわせて若年世代が楽しみながら海外移住の歴史を学べるよう展示内容が一新された。
同資料館は2021年に設立20周年を迎え、節目の事業として改装が実施された。館内には点字ブロックなどのバリアフリー設備のほか、記念写真撮影が可能な箇所などが増設された。
JICA横浜の岩谷寛さんは「最近は日本も移民の存在を受け入れるようになってきました。改修事業では、日本人も移民し、世界各地に日系社会を築いたことなどを伝え、今後の多文化共生社会作りのための気づきを与えられるような内容を目指しました」と説明する。
館内は、「海外移住の歴史」コーナー、「われら新世界に参加す」コーナー、「日系人、日系社会の変遷をたどる・日系人、日系社会の現在」コーナーの3区画に分けられている。各コーナーでは実際の移住者や日系人によるインタビューが公開されており、「生の声」が聞けるのも特徴となっている。
「海外移住の歴史」コーナーには、これまでの歴史説明に加え、新たに「女性視点からの移住」や、「戦時下の日系人の生活」、敗戦後の日本へ北中南米から送られた「ララ物資」の説明が追加されている。
館内を巡るにあたり、大人向けと子供向けの2種類の日本語音声ガイドも用意されている。音声ガイドはスマートフォンなどで専用QRコードを読み取ることで、利用可能。
オープン前の25日には記念式典が開催され、横浜市や学術関係者など約50人が来賓として参加し、テープカットや改装された館内の視察を行った。