サンパウロ市=麻薬常用者がバス襲撃=セントロが運転手の恐怖に
サンパウロ市セントロ地区のクラコランジア(麻薬常習者集中地区)付近で、彼らが襲ってくることを理由にバスの運転手や車掌(コブラドール)の警察への被害の訴えが急増し、バスの路線変更が迫られていると、29日付フォーリャ紙(1)が報じている。
セントロでのクラコランジア拡大はこのところ問題となっており、その影響は商店街の運営などにも出ていたが、公共交通も例外ではなくなってきた。
特に被害が大きいのはリオ・ブランコ大通りで、この地域はこのところ近隣住民から、イスラム教徒とユダヤ教徒の衝突で知られる中東の地区名にちなみ、「ガザ地区」とあだ名されるようになっているという。
ここでは石や木材を持った麻薬常用者たちのバスへの襲撃が相次ぎ、過去30日ほどで20人のバス従業員たちが警察に駆け込み、被害を訴えている。18日にはバスのフロントガラスに銃弾が撃ち込まれる事件が起きている。
バスの運転手たちは、バス会社に対し、路線の変更を求めている。
現在、リオ・ブランコ大通りのすぐ近くのグスモンエス街に常用者たちが夜から午前中にかけて、大挙して集まる状況が続いている。
フォーリャ紙が取材した運転手たちは口々に「仕事を辞めたい」「リオ・ブランコを通るのが怖い」と語っている。