G20=「プーチン逮捕されない」=会期中のルーラ発言が波紋
インドで開催されていたG20サミットで、ロシアがウクライナ侵攻に関して批判を受けなかったこと、さらに、ルーラ大統領がブラジル開催の来年のG20での「プーチン大統領逮捕はない」と発言したことが波紋を呼んだ。10日付CNNブラジル(1)(2)やアジェンシア・ブラジル(3)が報じている。
今回の会議でもウクライナ紛争は最大の争点だったが、初日の9日に異例の共同宣言を行い、「いかなる国も領土獲得を求めるための威嚇や武力行使を自制しなければならない」としたが、ロシアの名前は出てこず、ロシアが咎められることもなかった。
この結果に、ウクライナ側は「成果がない」と憤ったが、プーチン大統領が不参加だったロシアは「成功」と見なしている。
他方、ルーラ大統領は9日、インドのテレビ局から来年のG20でのプーチン氏の扱いについて尋ねられ、「私がブラジルの大統領である限り、プーチン大統領は逮捕されない」と発言し、物議を醸した。それは国際刑事裁判所がプーチン氏を戦争犯罪の責任者とし、同氏が国外に出た場合、滞在先の国に逮捕を義務付けているからだ。
ルーラ氏は国際刑事裁判所を規定するローマ憲章を指し、「米国やインドが署名していないものには従えない」との表現で、先の発言を正当化した。
だが、この発言で批判が相次いだことを受け、ルーラ氏は11日、「プーチンが逮捕されるかどうかは司法が判断することだ」と言い換えた。来年のG20の議長国はブラジルで、10日の議長就任式では来年のサミットのテーマは「公正な世界と持続可能な地球の構築」だと発表した。来年11月のG20サミットはリオ市で開催される。