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基礎的財政収支=赤字は既に1046億レ=インフレ低下で税収減?

2023年9月30日

8月までの財政状態を説明するロジェリオ・セロン国庫局長(©Jose Cruz/Agencia Brasil)
8月までの財政状態を説明するロジェリオ・セロン国庫局長(©Jose Cruz/Agencia Brasil)

 財務省国庫局が28日、1~8月の連邦政府の基礎的財政収支は1045・9億レアルの赤字に達したと発表したと同日付G1サイト(1)が報じた。基礎的財政収支の赤字は、公的負債に対する利子の支払いを除いた政府支出が税収を上回った場合に発生する。
 国庫局によると、1~8月にこの規模の赤字が発生したのは新型コロナのパンデミックで政府支出が増え、7536億レの赤字を記録した2020年以来で、2017年の1197・4億レ、2016年の1081・1億レを含めても、史上4番目の赤字だ。
 また、228・8億レの黒字だった昨年同期比では1274・7億レ分、財政状況が悪化したことになる。ただし、8月だけ見ると、263・5億レの赤字で、昨年同月の503・5億レの赤字より改善している。
 今年の支出増は、昨年末に承認された移行PEC(憲法改正補則案)で昨年比1689億レの支出増が認められたことによる。この支出増分には生活扶助のボルサ・ファミリアの支給額や最低賃金の引上げが含まれている。これらの支出は財政均衡法承認により、恒常的な支出枠に取り込まれた。
 連邦議会が認めた今年の政府会計の赤字額は2380億レで、現状通りならこの範囲内に収まる。だが、財務省は今年の赤字を1千億レ前後に収めた上、来年はゼロにと考えている。そのためには税収増が必要で、燃料への課税率引き上げと共に、州が企業に与えた奨励金関連の訴訟でも勝利した。
 だが、外国貿易への課税や富裕層への課税などではまだ、有利な結果を得られておらず、税務監理審議会(Carf)での決定投票権に関する規則を変更する法律承認も遅れた。
 また、28日付アジェンシア・ブラジル(2)によれば、国庫局ではインフレ鎮静化で今年の連邦税収は200~300億レ減ると見ているという。これは、商品価格低下で販売時に徴収される税額も減るためだ。それでも、9月は例年、基礎的財政黒字を記録するため、赤字額は減ると見ているようだ。
 ロジェリオ・セロン国庫局長は、インフレ鎮静化による税収減などの難問はあるが、基礎的財政赤字を1千億レに近づけるために最大限の努力を行うと明言。
 また、最終的な司法判断で生じる債務(プレカトリオ)についても、2027年以降に爆発的な支払いが生じるより、早期に解決した方が良いとの見解を表明した。看護師給や教師給の下限引き上げなどに伴う支出増についても解決策を模索中だ。保健省予算の穴は210億レとされているが、最終額は未定だという。
 22日付アジェンシア・ブラジルなど(3)(4)によると、22日には、今年の基礎的財政収支の赤字見込みは1454億レから1414億レに減ったが、6億レの予算凍結が必要との声も出ていたが、25日には予算凍結は今後の税収次第と説明された。


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