site.title

米国下院=ブラジルの言論の自由で公聴会=モラエス判事を罵る下議も

2024年5月9日

モラエス判事の写真を差し出すサラザ−ル下議(Ⅹ)
モラエス判事の写真を差し出すサラザ−ル下議(Ⅹ)

 7日、米国の下院で、「ブラジルにおける言論の自由」についての人権委員会の公聴会が行われた。そこでは、共和党議員たちがアレッシャンドレ・デ・モラエス判事の虚報監視を保守派への「検閲」と批判し、民主党議員が「1月8日襲撃事件を煽動し、大統領選の結果を覆そうとした人たちの主張に過ぎない」と反論するなど、白熱した議論が繰り広げられた。同日付フォーリャ紙(1)などが報じている。
 今回の委員会の傍聴席には、ボルソナロ前大統領三男のエドゥアルド下議(自由党・PL)をはじめ、モラエス判事から逮捕命令を出されて米国に逃亡中の極右ブロガーのアラン・ドス・サントス氏、ラヴァ・ジャット作戦元検察主任で元下議のデルタン・ダラグノル氏といった、ブラジルを代表する保守派がずらりと顔を並べていた。
 だが、公聴会に参加した米国下議自体は6人に過ぎなかった。内訳は民主党から4人、共和党から2人だった。
 民主党のシドニー・カムラガー・ダヴ下議は、「1月8日の襲撃事件や陰謀論こそが本当の意味でブラジルの民主主義に対する脅威」とし、「この公聴会は、大統領選で虚報を拡散した人たちに発言の場を与えようとすることでブラジルの民主主義を貶めようとするものだ」と批判した。
 同じく民主党のスーザン・ワイルド下議は、「この公聴会が行われること自体が嘆かわしい。ブラジルで昨年、2021年1月6日の米国連邦議事堂襲撃事件を模倣した1月8日襲撃事件が発生し、捜査が行われていたことも明らかになっていたのに、その時は公聴会を持つことが拒否された」と共和党を批判した。
 一方、共和党のマリア・サラザール下議は、「ブラジルではただでさえ、犯罪者のルーラ氏が大統領を務めている。その上に最高裁で専制的な判断が行われている」として、右手で掲げたモラエス判事の写真を指でさして批判した。同下議は「暴力に結びつくもの以外の言論は認められるべきだ」とも続けた。
 また、この公聴会を提案した共和党のクリス・スミス下議はモラエス判事の判断を違憲とし、「ブラジルに言論の自由を再建させなければならない」と主張した。
 この公聴会にはパネラーとして2人ブラジル人が参加した。その1人で、モラエス判事の捜査対象にもなっているジョーヴェン・パン局元コメンテーターのパウロ・フィゲイレード氏は、「ブラジルではアカウント凍結は日常茶飯事。ヴァルガス政権以来の検閲状態だ」と主張。だが、軍事政権最後のフィゲイレード大統領の孫でもある同氏は、カムラガー・ダヴ下議からの軍政時代の検閲についての質問には答えなかった。
 もう1人のパネラーでオクラホマ大学のブラジル研究教授のファビオ・デ・サー・エ・シルヴァ氏は、フィゲイレード氏の告発に反論し、2022年の選挙での敗北を覆すためのクーデター計画に関する進行中の捜査の内容や、ボルソナロ前大統領の関与が疑われていることなどに言及。軍政時代に獄中処刑されたジャーナリストのウラジミール・エルゾーギ氏の写真を見せながら、独裁政権が彼を殺害した上で自殺と偽ったことを検閲の例として引き合いに出した。


連邦政府=米と豆の輸入を検討=リオ・グランデ・ド・スル州豪雨で農業に大打撃前の記事 連邦政府=米と豆の輸入を検討=リオ・グランデ・ド・スル州豪雨で農業に大打撃【8日の市況】Selic金利を0.25p引き下げ10.50%へ=IbovespaはCopom決定前に0.21%高の129,480.89ポイントで終了次の記事【8日の市況】Selic金利を0.25p引き下げ10.50%へ=IbovespaはCopom決定前に0.21%高の129,480.89ポイントで終了
Loading...