site.title

世界競争力ランキング62位=2位下げ、最後から6番目

2024年6月20日

1位はシンガポール、最下位はベネズエラだった(Foto: Andrew Stutesman/unsplash)
1位はシンガポール、最下位はベネズエラだった(Foto: Andrew Stutesman/unsplash)

 国際経営開発研究所(IMD)が発表した「世界競争力年鑑(WCY)」2024年度版で、ブラジルはランキングを二つ下げ、評価対象67カ国中、62位となった。ブラジルの経済成長は一部で良好な成績を示す一方で、公共部門と民間部門の効率性が問題視されており、それが全体の競争力を押し下げる要因となっていると、18日付CNNブラジル(1)が報じた。首位はシンガポールで、スイス、デンマークが続く。日本は去年より3ランク順位を落とし、38位に入った。
 同ランキングでは、各国の経済の比較優位性が分析され、成長、社会福祉、インフラが評価される。同じ条件下でどれだけ優れているか、または劣っているかを評価する指標であり、各国政府や企業がどこに努力を傾けるべきかをよりよく評価するための目安となる。
 同調査に協力したドン・カブラル財団イノベーション・デジタル技術センターのディレクターであるウーゴ・タデウ氏は、「ブラジルは規模も富も大きく、世界有数の経済大国だが、実際には貧しい国だ」と評価し、官民双方によるこの国への投資の背後にある考え方に問題があると指摘している。
 ランキングでの位置付けは、多くの要因によって定義される。国内総生産(GDP)やインフレ率など、経済のパフォーマンスに関しては、ブラジルは昨年の41位から38位に上昇。この項目では過去最高の成績を記録した。しかし、ビジネス効率と政府効率については、それぞれ、61位と65位に位置しており、パフォーマンスを低下させている。
 タデウ氏はまた、「ブラジルはまだ、石油や鉄鉱石などのコモディティや、伝統産業に依存している。この状況を打破し、持続可能で質の高い経済成長を達成するためには、明確な戦略と優先事項の設定が必要だ」と強調。さらに、成長のためには生産性への投資が必要であり、その開発の基盤が資本コスト、知識と技術、そしてイノベーションにあると指摘している。彼の評価によると、ブラジルはこれらすべての要因で遅れを取っている。
 さらに、「公共支出が多ければ、その分、投資に問題が生じ、資本コストが上昇する。それによって国内の法的不確実性が悪化し、投資家を遠ざける結果になる。さらに、ブラジルでビジネスを行うことは、高コストに加え、政府による関与、高い税負担、法的手続きの煩雑さなどの複雑な問題が絡み、容易ではない」と指摘している。
 また、ビジネス効率が低いこといついて、「ブラジル企業は、イノベーション、科学技術、デジタル技術への投資が不足している。成長が見られるのは、政府が効率的に運営され、テクノロジー企業に積極的に投資している国だ」と強調した。
 ブラジルは、教育や技術力などの要素が低く、特に、マネジメント教育や言語能力において最下位の67位に位置している。また、労働力の質も低く、「資格を有する労働者」の評価ではワースト3位につけた。
 タデウ氏は、国の競争力を高めるにはGDPに焦点を置くだけでは不十分であり、むしろ、イノベーションに注力すべきだと主張した。特に、ブラジルが再生可能エネルギーのポテンシャルにおいて、同ランキングで5位につけたことに着目し、この分野での機会を活かすためには、教育や研究開発の強化が不可欠であり、知識に基づいた経済国への転換が必要だと強調した。


サンパウロ市=日曜のバス利用者増加=半年間で8130万人に前の記事 サンパウロ市=日曜のバス利用者増加=半年間で8130万人にRS州大水害=グアイバ湖の水位上昇=4地域に分けて救出作戦次の記事RS州大水害=グアイバ湖の水位上昇=4地域に分けて救出作戦
Loading...