ブラジル日系社会=『百年の水流』(再改定版)=外山脩=(2)
筆者が、おんぼろタクシーの中で聞いた先輩の話と事実は、勲章に関しての肝心なところが逆だったことになる。
この受勲辞退の一件は、おもしろい展開をした。
まず、南樹の右の発言の直後、総領事館側が敏感に反応した。広岡欣之介という首席領事が、パウリスタ新聞の取材に応えて、南樹を痛烈に批判したのである。(当時は、右の三邦字紙が発行されていた)
これも同紙の保存版によると、こう言っている。
「…(略)…独りよがりの狷介さと権威を批判することで、己を高しとする態度は、余りにも小児病的で鼻持ちならない。こんな人は叙勲に値しないのではないでしょうか」
これで、サ...
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