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ブラジル日系社会=『百年の水流』(再改定版)=外山脩=(160)

2025年5月8日

 資産凍結に関しては、下元は直ちにフェラースを首都リオに出張させた。政府に交渉、凍結令の対象から外して貰うためである。
 下元は運が良かった。というのは、この時、六章で記したリオ郊外での植民地建設で知己になったフェルナンド・コスタ農相が、未だその職にあったのである。
 フェラースは同農相に、
 「組合業務、特に農産物の取引にまで一々干渉されたら、組合が機能しなくなり、サンパウロ市民への食糧供給に大きな支障が生ずる。
 コチアは日本の資本ではなく、この国に居住する移民の出資つまり内資による組合である」
 と強調、凍結令の対象外とすることを請願した。
 農相...

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