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Selic=約20年ぶりに14・75%到達=更なる利上げも滲ませる

2025年5月9日

Selicの推移(7日付G1サイトの記事の一部)
Selicの推移(7日付G1サイトの記事の一部)

 中銀金融政策委員会(Copom)は7日、経済基本金利(Selic)を0・5%ポイント(PP)引き上げ、年率14・75%とすることを全会一致で決定した。前回の3月会合で実施された1PP利上げに比べて小幅にとどまったが、6会合連続の引き上げとなり、2006年以来、約20年ぶりの高水準となったと同日付G1など(1)(2)(3)が報じた。
 利上げの背景には、国際的な不確実性と国内要因の双方が複雑に絡み合っている。Copomは声明の中で、外部環境について「逆風かつ極めて不確実」と評し、特に米国における経済政策および通商政策が国際市場の変動性を高めていると指摘。
 Copomは「世界経済の減速の大きさや、インフレへの影響が各国で異なるという点が、ブラジルの金融政策にも重大な示唆を与えている」と国際情勢注視の必要性を強調した。
 一方、国内では高水準の財政支出が続き、特に公共部門の支出増加や社会保障費の膨張が需給バランスに圧力をかけ、その影響が物価上昇に波及。経済活動は依然として活発で、特にサービス分野での消費増加や、加熱する労働市場が需給ギャップを拡大させ、物価上昇圧力を一層強めている。中銀はこうした需給バランスの歪みがインフレ加速の要因であると考えている。
 足元ではインフレ率がすでに中銀の目標値上限の4・5%を超過しており、6月までに6カ月連続で目標未達となる可能性がある。この状況下で中銀は積極的な利上げを通じ、物価上昇を抑え込む姿勢を明確にした形だ。インフレ目標達成には、厳しい経済環境を反映した引き締め政策が長期にわたって維持されることが不可欠であるとの見解が示された。
 今回、Copomは次回会合の6月の利上げに向けた方針について明確な指針を示さなかった。ただし「インフレ率を目標に近づけるためには、引き締め色の強い政策金利を、長期間にわたって維持する必要がある」と強調し、当面は現行の上げ基調のスタンスを維持する方針をにじませた。
 これらの要因が重なり、中銀の今後の方針について予測が困難な状況となっており、アナリストの間では6月にさらなる利上げが行われるとの見方と、利上げサイクルの停止を予測する見方に分かれている。


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