ブラジル マンダカルー物語=黒木千阿子=(26)
始めは、ジョン爺さんも皆と同じように、ふうちゃんに跨っていたのですが、どういうわけかジョン爺さんはふうちゃんの背でたばこに火をつけて、王様のような顔をして踏ん反り帰る癖がありました。
そういう尊大で、厚かましいのが嫌いだったふうちゃんは、ある日、ジョン爺さんが居眠りをしている隙に、前足を大きく上げて、ジョン爺さんを空中に投げ飛ばし、すたこら家に帰ってきてしまったのです。
さあ、大変です。
ふうちゃんが帰るには早い時刻に、独りで帰ってきてしまったのですから、奥さんのドナ・エルザは、てっきりジョン爺さんが、どこかで倒れたのだと思い込んで息子のジランと一緒に山に向かって...
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