ブラジル マンダカルー物語=黒木千阿子=(28)
頭を下げたまま顔を寄せ合って、輪を作り、捕獲人に大きなお尻を向けて、さあ!捕まえてみろ!と言わんばかり。
投げ縄は、ロバたちの鬣を撫でるばかりで、いっこうに効果はなし。
ロバたちは、時々顔をしっかりとくっつけ合って、天を仰いで見せます。
丁度、ロバたちの鼻面が富士山の天辺みたいになって、その天辺に投げ縄が飛んできます。するとロバ達は、みんなで息を揃えてまた頭を下げ、くすくすと笑うのです。頭に来た捕獲人たちが、それではとうっかりとロバに近づこうものなら、何本もの後ろ足が飛んで、アッパーカットをくらうだけ。
捕獲人がふうちゃんの車座防備隊形にさんざんてこずっていると、知...
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