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ブラジル日系社会=『百年の水流』(再改定版)=外山脩=(224)

2025年8月13日


阿部の記録はオーバーな表現が目立つ。

自宅の爆破事件も、阿部の手記では、

「二十三日午前二時五十分、小生宅の床下に装置されていた直径十㌢、長さ二十㌢の爆弾が爆発、爆音二十㌔先まで聞こゆ」

となっている。

阿部の息子の話とは全く違う。

阿部の記録は、目撃談の体裁をとっているが、地元のポルトガル語の新聞の記事を使っていると思われる部分が何カ所かあり、劇的に表現しようとする作為が感じられる。

西谷は、新聞記事の内容そのものを否定した。

筆者は、西谷に前記の阿部の記録のコピーを渡したが、読んだ瞬間、舌打ちの様なモノをし、それをパッと机上に投げ出し、席を立った。不快そうであ...

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